引用

サイロ・エフェクト

江戸の洋学者は、西洋から新しい機械が持ち込まれると、まず、その機械を可能な限りバラバラにして部品を理解し、パーツごとに再構築しながら原理を理解し、最終的にもとの機械と同様に組み上げて同じ動作ができるように確認するという段取りで未知の機械を理解していきました。まさに、エンコード(あるデータを符号化すること)からデコード(符号化されたデータを復元すること)というプロセスです。

だいたい、人間が「未知」を理解しようとするとこんな感じで、つまり、理解に分類は不可欠です。

でもね。そのことに囚われてはいけない…

高度に複雑化した社会に対応するため組織が専門家たちの縦割りの「サイロ」になり、その結果 変化に対応できない。その逆説を「サイロ・エフェクト」という。

これは、フィナンシャル・タイムズ紙 アメリカ版編集長 ジリアン・テットさんの著作「サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠」(日本語版 文藝春秋社刊)の帯にある一文です。「サイロ」とは家畜の飼料を貯蔵する円筒形に作った倉庫のこと。あの牧場の風景にあるやるやつです。イメージとしては、そのサイロの中に籠ってしまう感じ…つまり「井の中の蛙」であり、ある意味「壷中の天」なのかもしれません。学会というサイロの中では評価の高い学者さんもサイロの外のことは全く知らない。どこのサイロでもそうだから、どの専門分野でも「部分」のことしかわからなず、現実の社会で専門の研究成果を活かすことができない。学会などに限らず、また、さほど高度でなくても、こういうことは起こりますね。

(自分の経験を現在にアジャストすることができずに息子の就職活動に口を出すお父さんなども、そうかもしれません)

当時の若者博が、自分の「好き」にどんどんのめり込んでいて他に興味を示さない傾向に「タコツボ・コンセプト」って名前をつけたのは報堂生活研究所さんだったかな。これも一種の「サイロ・エフェクト」。つまり、専門家たちだけでなく、分業制な感じの「近代」に暮らす誰もが陥りやすいボトルネック。

サイロ・エフェクト…

しかも「医師免許」は実質「一種類」だから、脳出血キャリア・右麻痺のリハビリの担当医が「麻痺した神経」を病理的に研究していた人で、つまりリハビリのノウハウには無力…と弊害にひねりが加わった感じにもなる。テレビのコメンテーターさんも、経済学者なのに芸能ネタにコメント求められてもいますもんね。

求められているのは、受け手としての僕らの、質的な進化なんでしょうね。テレビのコメンテーターなんだから、十把一絡げに「専門家」っていうんじゃなく、経済学者なんだから芸能ネタには素人って、はっきり認識すべきだし、自分の「守備範囲だけ」ではなく、面倒でも全体を俯瞰できる知識(教養)を持つべきなんでしょう。

そうすれば、ずいぶん視界は明るくなる…逆に言えば今は自分で自分に煙幕を張っちゃってる感じなのかな。

いずれにせよ、自分の脚元を照らすのは自分かな。照らしてくれる人を待つんじゃなくてね。

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