森川すいめいさんの著作「その島のひとたちは、ひとの話をきかない 精神科医、『自殺希少地域』を行く」にある一節です。
私は、国の「平成の大合併」と呼ばれる市区町村の合併事業を、メンタルヘルスの視点からは大失敗だったと思っている。
メンタルヘルスの視点からだけではありません。地域文化(個性)の継承や保存、個人と「公」の距離感など、「平成の大合併」は、ほとんどすべての分野で大失敗だったでしょう。ただ、それも地域住民であり、国民の立場に立てばのことであって、お役所側の立場に立てば、また別の見方があるのだと思います。
少なくとも長年の愚策の責任をあいまいにすることはできました。新たな借金も可能になり一息つけたともいえるでしょう。
僕らは以前に増して不便になり、ただ利便性に乏しくなるだけでなく、精神的にも追いつめられている。
そうしたことを踏み台にしてお役人は枕を高くして眠る…
だから、自分で備えるしかありません。このブログでも繰り返し申し上げていることですが、多数決による民主主義にはほとんど期待できないのです。
多数決による民主主義は「平成の大合併」の検証もしないし、大都市に住む人にしてみれば、まさに他人事。マスメディアも「平成の大合併」を振り返ることはありません。
そんな中で、横浜市民の関心事も都知事選、それに遠く離れた国の大統領選挙やトルコ情勢という時代です。多くの人々にとって「平成の大合併」は、まるで江戸時代の昔の出来事のようでしょう。
でも、あの時から、僕らは真綿で首を絞められているようにやられています。
ただ、そうしたことを世論も法律も咎めないだけなのです。