オフィス回帰

Yahoo!の在宅勤務禁止が話題になった折に、チームラボの代表である猪子寿之は、それは当然のことという声を上げている。チームラボでも。「ノマド」「在宅勤務」は禁止である。なぜなら「ネット会議も含め、一緒に仕事をするメンバーが離れた場所にいる形態は、チームで成果を上げるには不向きだから」だという。
経済学者のハーフォードの言う「産業の知識集約度が高いほど、その産業は小さなエリアに集中する」というのは、IT企業のオフィスない、人と人の接点レベルでも起こっていることなのだ。

「東京どこに住む?」住所格差と人生格差 速水健朗 著
朝日新聞出版

そうかなぁと思います。

僕は「メンバーが離れた場所にいる」がアウトプットの「質」に影響を与えるとは思えませんし、逆に、四六時中、一緒にいて「質」が上がるとも思えません。とにかく各人の時間の使い方にできるだけ規制を課さないことが、アウトプットの「質」に好影響を与えると思います。
Yahoo!の例は、本格的な情報生産ではなく、すでに「ある程度、まとまったもの」の細部を大衆向けにシェイプするような仕事で、むしろモニターさんみたいな仕事を業務としている場合に限られるのでは、と思います。
ハーフォードも「小さなエリアに集中する」とはいっていますが、小さなオフィスビルの一室に、とはいっていません。ハーフォードのいう「小さなエリア」とは「蒲田の工場群」ぐらいの、つまり「ひとつの街」くらいの規模で考えた方がいいでしょう。

「ノマド」「在宅勤務」となると、会社にとっては「管理」が難しい…その方が「一箇所に集めておきたい理由」としては筋が通る気もします。

広いフロアを占拠しているとはいえ、シリコンバレーのような郊外とはほど遠い都心のオフィスビルである。社員1人あたりの面積が広いということはない。むしろ、狭い場所で顔をつきあわせて仕事をしているという印象を受ける、特にGoogleの会議室は狭い。

(前掲書)

これもミーティングの時だけでしょ、と思います。

確かに「シリコンバレーのような郊外」より「都心」の方がよいとは思います。最近、うちの奥さん、撮影散歩中に都心部での蝶の分布をしていらっしゃる研究者の方に出会ったのですが、そういう刺激は多種多様な人々が集まる大都市の都心部ならでは醍醐味です。でも、故に「同じ会社の同じ部署の人間ばかりが集まるオフィス」では情報生産に必要な刺激は得られません。オフィスには各人が創ったアイディアをぶつけ合うときだけに集まればいいし、それもSkypeでできなくはありません。

僕も、散歩中にずいぶんと刺激をもらいます。たいていのアイディアは散歩中にまとまります。
かわりばえのしないオフィスに縛り付けられて、僕は、この状態が保てるとは思えません。情報生産力は半減、いや、それ以上に縮小してしまうでしょう。

街は孵卵器(インキュベーター)になるけれど、オフィスは貞操帯。アイディアを産み出すには不向きな空間だと思います。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

w

%s と連携中