タテマエ

「国民主権」とはいいますが「そりゃタテマエでしょ」と考えていらっしゃる方も少なくないと思います。

日本の「公」について、国の「公」なら政府の官僚が、地方自治体の「公」なら、地方のお役人が、これを差配している。議員さん=政治家が差配していると誤解していらっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、彼らはお役人の決済に「意見を述べる」程度の存在感しかありません。法律上はそうではない存在感を与えられているはずですが、お役人と渡り合えるほどの知識も見識もないので、実質的には「意見を述べる程度の存在感」です。
例えば、シベリア抑留者に対して 25万円から150万円の特別給付金を支給する内容の「戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法」という法律がありますが、
この法律が成立したのが戦後65年を経た平成22(2010)年です。民間からのアプローチは、遅くとも昭和40年代の前半から始まっています。つまり苦節40年以上。これは僕の私見ですが、お役所は、この間、支給対象者が減るのを待っていたなと思うのです。お役人は選挙で選ばれるわけではありませんから、長期戦の粘り腰を効かせることもできます。事実、オフクロ方のじいちゃんがシベリア抑留者の生き残りでしたが、法律の成立は、このじいちゃんがとっくに死んじまった後のことでした。しかも、こういう長期の交渉の末の法律化というものに限って「議員立法」です。…ああ、したたかだなと思います。

そんな状況の中、議員さんたちが消費税の値上げをさせない。そうなるとお役人は「国民生活」を苦しめる形で抵抗してきます。福祉系の予算を削って、実際の国民生活を締め上げ、政治の翻意を促すのです。

政府や自治体の財源は、国民が法律で支払いを義務付けられている「税金」です。僕らは税金を支払わないと罰せられます。でも、その至便についてはほぼ任せきりです。関心がある部分については反応するものの、家族にシベリア抑留者でもいなければ「戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法」などには関心も持たないでしょうし、実際、こういう法律があることも知らないと思います。

それがフツウです。

でも、お役人は、そのフツウをよく理解し、政治家の性質を理解しながら、巧みにこの国の「公」を支配しているというわけです。もちろん、法律には「主権者は国民である」と記載されているわけですが、そういうタテマエのもと、実質には国民を領民化する…お役人にはそういう知恵を持っている人がいるというわけです。

(もちろん、全員ではありません。むしろ、そういう知恵を持つ人は極めて少数だったりします)

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