冷静に次の時代を

とある番組で、室井滋さんが「三陸鉄道の今」をめぐっていらっしゃったわけです。
そうすると、あの「北限の海女」の海岸で「潮騒のメモリーズ」を本歌取りし、よくあるご当地アイドルな形式を踏んだ5人組が歌と踊りを披露するわけです。衣装ももちろん「潮騒のメモリーズ」で、5人ていうことはGMT的でもあり、ああそうか、彼女たちは、僕らが10代の頃に準えれば、つまり「コピー・バンド」なんだなと思いました。

あまりに難しすぎてレッド・ツェッペリンのコピー・バンドっていうのはいなかったと思いますが、あの頃、全国の高校の文化祭には「スモーク・オン・ザ・ウォーター」が響いていたことでしょう。角谷姫、グレープなど諸々フォーク・ソングのコピー・バンドもたくさんいたと思います。

Fenderは買えないからFresherなんていうパチモン買って、出来るところだけコピーして本物らしく振舞う…つまり、プラモデル買ってきて、そこそこに組み立てて、そこそこに色を塗るという、そんな感じだったんでしょう。彼女たちの存在感はそれに似ているなと思いました。
ご当地アイドル、よさこい、ゆるキャラ… もしかしたら、オペンホセな戸建て住宅も。どれもがキット化された部品をマニュアルに従って組み立てただけのもの。つまり「プラモデル」のような趣があります。みな個性を主張しようと思っているだろうに、それを業者にお任せで発注したり、TVなどで話題のものを踏襲しようとするから津々浦々に「似たようなもの」が乱立する…

もちろん仕掛け人は皮肉な笑みを浮かべているんでしょう。でも、そのことにさほどの疑問も感じずに、みな舞い踊り、唄う…熱狂する。そして、背景となる街並は「ファスト風土」。復興事業はそのことを被災地にまで増殖させていく。

でも、ある日、熱狂は冷めるでしょう。あの頃のたいていのコピー・バンドが今に繋がっていないのと同様に。

でも、それが宿痾かな。「後悔」は後になってするものだし、実際、諭されても、熱狂しているときに踊りをやめないものです。ただ、今は行き渡るのも早いから、熱狂が冷めるまでに、そう長い時間はかからないでしょう。

天の邪鬼は冷静に次の時代を準備する。それでいいんだと思います。

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