平成25(2013)年の総務省統計局「住宅・土地統計調査」によれば東京23区の空き家は587,320戸。空き家率は11.1%。住宅の10軒に1軒は空き家です。この「空き家」にマンションの「空室」は含まれていないも同然、アップデートが激しすぎて実態が掴めないからです。
でも2013年以降、次々と完成し、これからも完成していく20階建て以上の高層マンションは5万戸分に少しかけるくらい…「20階建て以上の高層マンション」だけでです。
今、こういう状況があるのに、実質的に横浜市役所が主導して、これからJR東神奈川駅からさらに湾岸へ行った埋地に49建てのマンションを3本。横浜駅西口にも14〜43階が住居=390戸という44階建ての建物を造り、綱島には28階建て=240戸のマンションが計画されています。横浜市役所が主導する超デカイ物件だけでこんな感じですから、中小のマンションやらオペンホセ的新築物件は目白押し。どこかで槌音が響いています。
横浜市建築局のwebサイトにも「平成25(2013)年10月1日現在の横浜市の総住宅数は1,764,900戸、うち居住世帯のある住宅数は1,580,900戸となっており、戸数の面では十分供給されていると言えます。」とあるし、一切、市内の空き家の数は現時点でおよそ 1 万 6000戸。もちろんどんどん増加傾向です。
情報産業を中心にライフスタイルが職住一体型になれば、がぜん東京が有利です。仕事場まで徒歩10分の港区に住んだ方が1時間以上も電車に揺られていなければならないところに住んでいるより効率的です。
その東京で空き家率は11.1%の上に、これから完成する「20階建て以上の高層マンション」だけで5万戸。
ヨコハマは、水が漏れ出しているダムに一方で穴を開け続けているのではないか…
東京に匹敵する産業的なポテンシャルを呼び込めるなら別ですが、地元ヨコハマにその力量はないでしょう。もし、呼びこめても、それで工業生産型の多くの人々の雇用を創生できるわけでもないはずです。
ダッチ・ロールだな。これで平穏に済むはずはありません。
横浜駅西口に予定されている44階=14〜43階が住居=390戸という建物は「外国人向け住宅」を謳っているようですが、どこからその外国人が湧いてくるのか…
もしも「みなとみらい地区にアップルを誘致するから」が、その理由だったとしたら笑止と言わざるを得ません。