給与所得者

ライト・ミルズさんという社会学者がいました。テキサス州の生まれ。コロンビア大学の教授、つまりアメリカの社会学者です。亡くなったのは1962年のことでした。

彼が「新中間層」という定義をつくりました。「旧・中間層」は大体が自営業者、「新中間層」は「新中間層」は高給取りだが給与所得者であるというのが彼の定義です。日本でも戦前の中間層はたいていは「自営」でしたが、戦後は「高給取りだが給与所得者」ということになりました。

給与所得者であるということは、もとより自律的な経営者ではないということです。仕事を続けるための資金繰り苦労をしたりということもなければ、仕事に必要な経費のたいていは会社が負担してくれます。もちろん、看板も仕事場も会社が用意してくれます。そのあたりのことは会社に委ねちゃってるというわけです。自営業なら、どこからお金を稼いでこようかというところから悩まなけれなりませんが、会社員なら、家計簿的な出金管理だけで済みます。家庭が世間の風雪にじかに晒されることはなく、そのあたりの厳しさは会社が受け持ってくれるというわけです。

故に会社が安泰なら政治には無関心…

ただ、それ以上に会社員の方にとっては「会社が宇宙」になってしまうでしょう。特にモーレツ・サラリーマン時代の男性会社員などはそうだったのだと思います。
阪神・淡路大震災のとき、結局、家庭や地域に居場所を求められなかったお父さんたちが会社に戻ってそこで暮らしていたという事例が数多く報告されていますが、さもありなんとも思います。

いずれにせよ、給与所得者として働く時間が長くなると、自律的な自営業として働くことが難しくなるでしょうし、給与所得者の家庭に育った子どもたちも「自営で働く」というイメージがつかめず、組織で働く時代が終わっていくこれからは苦労を強いられるのだと思います。

まず、大多数がそうだからといって給与所得者という働き方がスタンダードなわけではなく、極めてイレギュラーな働き方であり、その常識を以って「自律的な自営」は難しいんだということを自覚することからでしょう。

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