ショッピング・モールによる集客戦略もけっこうですが、一億総中流(安倍さんの家流は、ホントに「一億」がお好きです)の時代が終わってしまった今、いわゆるショッピング・モールというスタイルで全部の消費者をすくい取ることにこそ無理があると思うのです。
確かに、大阪のエキスポシティみたいなものを支持される方もいらっしゃるでしょうが、哀愁漂う商店街を支持するという方もたくさんいる…でも、そういうお客さんが商店街を訪ねてみたら「シャッター通り」。今はそんな状態です。
たぶん、これからも行政やビジネスはショッピング・モールをつくりたがるだろうし、多様な個性をケアするよりは「一億総粒ぞろい」を望むでしょう。でも一方で工業生産時代は確実に終焉を迎えていて、個性が生み出すアイディアや、変わり者といわれる技能職が実現する技能こそが国の重要な収入源になる時代です。
僕は商店街も大切にしたほうがいいと思います。
もちろん、全部とはいいませんし、むしろ、残すべきは少数かもしれません。でも、これまでの空間づくり先行でも、アメリカの再開発に倣ったスタイルでもない「場づくり」優先の街づくりが行われているような、そういう商店街があってもいいと、僕はそう思っています。
反骨精神でもなんでもなく、時代の状況に素直に合わせてゆけば、そういう考え方に行き着くはずだと思います。