生活感を取り戻す

この天気のいい木曜日。開港記念広場にはカンバス立ててるおじさん、おばさんが鈴なりです。こんなにいらっしゃるとは思いませんでした。山下公園通りを歩くのはヘタをすると「何年ぶり」です。知らないうちにシルクセンターの1階は大型薬局チェーンの店舗です。ここに生糸市場があったのも今は昔の話です。

確かに海岸教会は残っているし、アーバン・デザインな街並みなんでしょう。でも、この街には「現役感」がありません。大桟橋の入り口には、誘致されたのか、若者ベンチャーなショップもあるんですが、彼らを含めて「書き割り」のようで、リアリティがない…中身が空っぽの缶詰のようです。

かつて、水町通りにドイツ人のお医者さんがいて、品のいいおばさまの看護婦さんが一人。いつも通りに椅子を出して、日向ぼっこしながらお茶を飲んでいた。海岸通には日本人なんだけどマークさんというおじさんが常連のレストランがあって、ホフ・ブロウもスカンディアもテーマ・パークのアトラクションみたいなレストランではなく、この街の日常にありました。

今は、あのあたり一帯が、できの悪いディズニーランドのようです。生活感がありません。

近代的な建築物を残し、モダン・デザインやコンテンポラリー・アートな街並みをつくるのにいくら使ったのかは知りませんが、あのあたりをプロデュースした人には目に見えるものしか見えなかったんだろうし、アートを飾るギャラリー空間や大規模な展示場は、この街から日常を剥ぎ取る装置になることが理解できなかったのでしょう。

これだけ「面的」にやっちまったら、ちょっと取り返しはつきません。

まずは閑古鳥が鳴くのを待って、それからだと思います。でも、幸いなことに、もう横浜市役所には、ここを大規模にいじるお金はありません。新市庁舎ができて、今は民間の建物に散っている部局を、その中に入れるとなると、たぶん関内地区は壊滅的な打撃を受けますが、山下公園あたりはすでに斜陽です。順当に下り坂を転がるだけでしょう。

これから先は、この「寂れ」感をどう活かすか。いずれにせよ、「悪所になる」でもいいから生活感を取り戻すことでしょう。そうすれば、たぶん賑わいは戻ってきます。

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