いつもの駅でいつも逢う セーラー服のお下げ髪
もう来る頃 もう来る頃 今日も待ちぼうけ
明日がある 明日がある 明日があるさ
ぬれてるあの娘こうもりへ さそってあげよと待っている
声かけよう 声かけよう だまって見てるボク
明日がある 明日がある 明日があるさ
1961(昭和36)年生まれの僕でさえ、うる憶えな、楽曲「明日があるさ」の一節です。作詞は青島幸男さん、作曲は中村八大さん。歌唱されたのは坂本九さん。でも1963(昭和38)年の年の瀬に発売されたときには大ヒット曲となった楽曲です。2000(平成12)年、この楽曲をテーマにしたCM(ダウンタウンの浜田さんを中心に吉本芸人オールスター出演みたいな)が話題になり、ウルフルズが歌ったこの楽曲もリバイバル・ヒットします。当時も暗い世相でしたが、そういう日本を明るくしていこうというコンセプトで製作されたというCMを庶民も喝采で迎えたというわけです。
でも、今はもう「明日があるさ」に賛同でき、共感できる状況ではなくなってしまいました。
「明日があるさ」と歌われても、絵空事か皮肉に聞こえます。
「明日があるさ」というようなファイト感はなく、もっと諦めムードなのが本音です。
「明日があるさ」は、今の自分を脱して、あしたは違う自分になっているという希望でもあります。
1963(昭和38)年頃は、多くの人がそう思えたのでしょう。今は昔の話です。