引用

沁みるように効く

雨は

落首。ある朝、盛り場などに世相を風刺した狂花などが書かれた立て札が立っている…もちろん「詠み人知らず」。すでに平安時代の京都=四条河原などにあったといいます。

ここに紹介するのは、あまりにも有名な江戸の落首。なにごとも贅沢を禁止した寛政の改革を主導した松平定信が白河の殿様だったことにかけて「白河」。「田沼、恋しき」の「田沼」は田沼意次。彼の治世の間に賄賂が横行したというけれど、彼は洋学を奨励し、大規模な干拓事業や被差別な人々を主役に北辺の開拓を目指したり、幕府財政の立て直しにもそれなりに成功。彼の時代には江戸の街文化も隆盛でした。それで「もとの濁りの田沼恋しき」。近年の研究ではたんに重商主義だったのであって、汚職まみれだったわけではないと評価が変わってきています。
松平定信の意向に逆らって江戸の街文化を守ろうとした遠山景元は、当時から芝居狂言でヒーローに描かれていて、今も「遠山の金さん」です。松平定信には「世の中に かほどうるさきものはなし ぶんぶといふて 夜も寝られず」という落首も有名です。芝居や娯楽本を禁止する一方、ひたすら学問と武道を奨励したがる彼を皮肉ってのものです。

もちろん婉曲に過ぎるというご指摘はあるでしょう。でも「戦争反対!!」より粋だなと思うし、たぶん、こういう方法の方が沁みるように効くんだと思うんです。「要求」じゃなくて「文学」ですからね。

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