ハンバーガー屋さんなり、cafeでもいいんですが、マネージャーさんの仕事までもがマニュアル・レーバーになって、守備範囲が決まっていると、実質的に、そのお店の「人としての関係」を編成し、ひとつの雰囲気をつくりあげるという点については「空白」になっていることが多いですね。
もちろん、リーダーがスタッフの労務を管理するということに関してはマニュアルでもカバーできるんでしょうが、各人の個性を読んだり、そうした個人を織物のように織り込んで「お店の雰囲気」をつくるなんてマニュアルには書けませんからね。各人が分担に閉じて仕事をし、それを労務管理するリーダーがいる。スタッフさんは、貼り付けたような笑顔を浮かべ、言葉では謝意を述べる…
そんな感じになってしまう。
でもね。人間、ホントは感謝されていないことも自分が「処理されている」だけだということも察することはできるもんです。僕はただ珈琲を飲みに来たんじゃなくて喫茶しにきたのに、なんだ、この空虚さは…ってね。だったらコンビニ珈琲で十分。味で言えばコンビニ珈琲の方が上だったりしますからね。
200店舗は超えるだろうショッピング・モールの販促担当さんに「これ、オタクで買ったジーンズなんですよ」っていっても、まさに「型通り」にお礼言われるだけですよね。だって、1テナントのことなんて知ったこっちゃないだろうし、知ってても自分はショッピング・モールの販促担当。来場者数を嫁せぐイベント、考えなきゃいけないし、それに自分のところのショッピング・モールで恐らく買い物したことないし。
と…
マニュアルと分担・分業が、人と人のつながりにぽっかりと空洞を開けちゃってるんでしょうね。
意図したわけじゃないから、無意識のうちに。
でも、それで寂しいなんて言ってるのは、やっぱり滑稽ですね。
たぶん、もう少ししたら、ちょっと面倒でもここから離れる人も増えるでしょう。何を失ったのか、判りかけてもきてもいますからね。