無頓着に過ぎた

直立の姿勢で右手をピンと張り、一旦胸の位置で水平に構えてから、掌を下に向けた状態で腕を斜め上に突き出すよる敬礼をナチス式の敬礼といいます。戦後のドイツでは西ドイツ時代からナチス式敬礼は「ナチ賛美・賞賛」と見做され民衆扇動罪で逮捕・処罰の対象となります。学校でもピンと指をそろえて手を挙げるのは禁止です。
刑法第86条、86a条(StGB §86, 86a)で「憲法秩序に反する団体組織のシンボルの使用」について細かく定められており、違反すると罰金か最大で懲役3年が科せられます。「シンボル」には旗、マーク、制服、言い回し、挨拶や敬礼などが含まれ、「禁止された政党、団体のシンボル」「過去の国家社会主義団体のシンボル」「取り違える可能性のある似通ったシンボル」を使用してはならないとあります。具体的には「ハーケンクロイツ」「ハイルヒットラー」「ジークハイル」「ホルスト・ヴェッセル・リート(ナチスの党歌)」「ヒットラー敬礼/ドイツ敬礼(右掌を平らにし、目の高さに斜め上に真っすぐ伸ばす)」といった事柄が挙げられます。
ドイツの車のナンバープレートはアルファベットと数字の組み合わせで成り立っており、最初の1~3字のアルファベットは登録地域を表わすためあらかじめ決められていますが、それに続く1~2字のアルファベットと数字は自由に選ぶことができます。しかしここにも規則があり、ナチスを連想させる文字の組み合わせは申請しても許可されません。例を挙げると、NS Nationalsozialismus / ナチズム、SS Schutzstaffel / 親衛隊、AH Adolf Hitler / アドルフ・ヒトラー、HH Heil Hitler / ハイル・ヒトラーなどです。
2006年、クリスマスディスプレーで右手を挙げた(ように見えた)サンタクロース人形が問題となり撤去されました。プロクター&ギャンブル(アメリカ)がドイツ国内で発売した洗濯洗剤に書かれた「88」が「ハイル・ヒトラー」を暗示するとされ、アドルフヒトラーのフルスペルを暗示するとされる「18」が書かれた別製品を含め出荷停止となったのは去年のことです。

日本が何度謝っても信用してもらえないのは、こういうことをしなかったからでしょう。
確かに東条内閣の大臣がA級戦犯になりながら、アメリカの思惑で戦後日本の首相になるというのもどうかと思いますが、ドイツでも一度は公職追放になりながら復権した元ナチス党員(その幹部)も多数います。
でもドイツの場合、例えば、刑法第86条のような法律があることで、ナチスという歴史を戦後どう扱おうとしているかが、その徹底ぶりからも明らかです。

日本の場合、見方によっては戦前と戦後は連続しています。
安倍さんのおじいちゃん=岸信介氏は、死ぬまで戦前を間違ったものだとは思っていなかったといわれていますし、そのための自主憲法制定を党是に掲げているのが自由民主党です。

自由民主党が一貫して第一党であり続けた上に安倍さんという歴史が乗る…
ドイツの刑法第86条と我が国の靖国神社。

これが国際的にどう見えるかという話です。僕らは70年の間、少し無頓着に過ぎたのかもしれません。

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