ヨコハマでいえば青葉区や都筑区といった郊外区には、電鉄やら行政やらが大規模な宅地開発があって今日があります。もとは豊かな田園だったのでしょうが、今では大小の舗装路とソリッドな住宅が並ぶアスファルト・ジャングルです。
もちろん、公園はあるし、路肩の植栽も埋め地よりははるかに立派なのですが、鳥たちの種類は乏しい…埋め地のようにカラスと鳩ばかりというところも少なくありません。
なぜだろう…
散歩していて思うのは、虫がいないということです。夏になればうるさいほどのセミの声もほぼ一種類。この季節にたくさん見かけられるはずの蝶もいません。たぶん、オルトランみたいな浸透移行性を持つ(つまり植物の体内にとどまって薬効を保ち続ける)農薬などが施されているでしょう。都市公園などでも新しい植物に植え替えが進められると、一気に周辺の蝶がいなくなったりします。薬効のきれかかったものから、フレッシュな薬剤が染み込んだものに植物がチェンジされるからです。
そして、アスファルト・ジャングルは、データだけで見るとサバンナ気候なみに乾燥している…故に道端の雑草たちの多くは「うどん粉病的な病気」にかかっていたりします。もちろん、サバンナ気候なんですから外来生物、外来植物には天国。この国に固有の生態系のバランスは、ここから崩れていきます。
ビジネスな都心でもなく、大規模な宅地開発が可能だった郊外でもない「都心と郊外との中間点」。この「開発不適合」な土地こそが21世紀の宝です。大切にしなければと思います。