できることを始めてみる

「踊る大捜査線」で湾岸署が「空き地署」といわれていたように、お台場やみなとみらい、幕張など再開発もだだっ広い面的開発になると、全部の街区が完成するまでには、先行街区の建物竣工から20〜30年以上の月日を要します。

各街区とも建物の竣工までは、民間の会社も公共団体にしても「開発部隊」の人々が、その開発をコントロールし、仮に人事異動があっても肝心なことは引き継がれていきます。今時は街全体のポテンシャルが、その建物の資産価値を上げ下げすることもあるので、自分たちの建物の外にも関心を持ってくれます。

ところが建物が完成すると、同じ会社でも「管理部隊」の人がやってきて、彼らは「建物の中」にしか関心を示しません。場合によっては街づくりの経緯も知らない「委託管理会社」の人が決定権を持つようになります。この段階に入ると人事も一定せず担当者はやっと街のイメージが掴めた頃には異動していきます。街づくりを主導する政府や自治体のお役人とても同じこと。みんなで街づくりをしましょうねと立ち上げた「街づくり協議会」もあっさり形骸化。会議を開いても、誰からも発言のないまま「従来通り」で異議なしという状態になります。

ご承知のように、建物はお金さえあれば短期間でつくってしまうことも可能ですが「その街の人の暮らし」をつくっていくという意味での街づくりには、人の一生ではまかないきれないほどの時間がかかります。

でも、建物ができてしまえば「組織」に決定権がある会社や団体の方があてにならないというのが街づくりを仕事にする僕の実感です。

特に大規模な会社になると、その街にとっては不在地主。しかもリーマンショック以降、人員が削られていますから同じような物件をいくつも抱えさせられているので、ひとつひとの建物のテナントがどうなっているのか。空室の状況など、ほとんどがおぼろげ。街づくりの話はおろか。その建物に対しての要望も難しいくらい…
そういうわけですから大半の建物が完成してしまうと、その街に本社を構える、あまり規模の大きくない(つまり人事異動が激しくない)企業の担当者、個人経営のテナント、居住者の方(有志)を中心にして街づくりを(その規模でできる範囲で)で進めていくことになります。

民間の企業(特に大手の企業)は「建物をつくる」という投資をして、その投資を回収したら、またビルをつくるだけ。「あとが行政がやって」ということだし、その行政も建物や街路などができれば「あとは民間でやって」という、なんともいえないパラドックスがあって、再開発を主導してきた組織に「その街の人の暮らしをつくっていくという意味での街づくり」に責任を持っている人は不在と、それが偽らざるところです。

バリアフリーも、点字ブロックや段差なしまではなんとかなっても、それ以上は進まない…

でも、僕はそうならない状況に問題提起するよりは、まず「できることを始めてみる」だと思っています。

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