実像は「野暮ったい」

確かに安井かずみさんはヨコハマ生まれでフェリス女学院の出身ですが、1950年代末か、60年代の初めに加賀まりこさんとサンモリッツに気まぐれ旅行に出てしまう彼女は、東京の人がつくった「エキゾチック・ヨコハマ」というフィクションの中に生まれ、フィクションの中に育っていた方なんだと思います。

(ヨコハマは彼女の父上の赴任先みたいなもんでしたし…)

リアルなヨコハマ都心部の住民にサンモリッツはないな。サンモリッツがどこにあるんだかもわからんでしょう。
港ヨコハマなヨコハマ人はもっとね、野暮ったいんです。

だからヨコハマの人がヨコハマという景観やイメージを背景にイベントやっちゃうとギャップが激しい…ハイカルチャーな感じは絶対に出てきませんからね。
そして、ヨコハマ人のつくるイベントには都会キャリアの浅いヨコハマ人だけが集まってくるだけで、東京では話題にならない…。「水曜どうでしょう」を生み出せる札幌。妖怪ウォッチを生んだ福岡。ユニクロ、ベネッセな岡山県とはとはちょっと違うわけです。

横山剣さんが一身に後衛を担ってくれていますが、昔は伝統のない街ならではの野暮ったさに胸を張っちゃう文化も元気だったんです。でも1980年代に「ハマトラ」が流行ってからは、逆に「自分たちをしてハイカルチャー」だという勘違いも始まっちゃって、身に余るハイカルチャーに自分たちを見失って今がある感じがあります。
そして「ヨコハマ・オリジナル」な流行現象がつくれなくなった…お茶の作法といっしょでロウがハイカルチャーを志向すると、何事も「真似」になっちゃいますからね。

ただ、市役所筋やヨコハマトラディショナルを気取る経営者たちとは関係のないところで、若者たちがハイカルチャーな気負いのないお店なんかを始めてくれていて、ちょっとうれしい誤算もあります。インフレに呑まれて老舗連中の勢いがなくなり、市役所が高齢者福祉にかかりきりになれば、ちょっと面白くなるかもしれません。

なにやら面妖な期待感の持ち方ですが
でもね。僕はちょっと期待しています。

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