コンプレックスの裏返し

マツコさんの、ヨコハマに対する悪印象。僕はなんとなくわかるような気がするんです。

ベイブリッジやみなとみらいあたりの景観をヨコハマの器とするなら、そのあらかたが「東京製」。ヨコハマの原住民にああしたものを創り出す力、力量はありません。
古くは「裕次郎もの」あたりから始まる映画やテレビが創り出していった「ヨコハマ・イメージ」も東京製。ヨコハマの原住民にああしたものを創り出す力、力量はありません。

でも、そうしたことを、あたかも自分たちが育んできた文化みたいに鼻にかける。そういうヨコハマ人が気に触るんだろうなと思います。

ちょっと古い話になりますが。故・高倉健さんと池上季実子さんが主演の「冬の華」という映画がありました(1978年 東映)。ヨコハマが舞台でミッション系な感じの学校に通うのが池上さんで、彼女を遠くで見守る影のある男が高倉健さんです。
ヤクザな健さんが行く夜の街は「ああ、ここはどこ」と、これはみんなすぐにわかる。でも池上さんが通う名曲喫茶はどこにあるかわからない。「あの名曲喫茶はどこなんだ」と、これは今でも「浜っ子」を自称する人にときどき尋ねられることです。でも、あれは京都にあるお店。だって、リアルなヨコハマ(ヨコハマ都心)で名曲喫茶を成立させられるだけのクラシック・ファンがいるわけがない…

自分を振り返って、エキゾチックでハイ・センスな浜っ子のリアルがあるかどうか…
少なくとも、140年をヨコハマの港近くに暮らしてきた我が家にはありません。
まさに野暮ったいライフスタイルの我が家です。

この街に暮らす人々をして「東京製」のヨコハマ・イメージに酔い、そして、フィクションとノン・フィクションの見境がつかなくなっているんでしょう。それに自分がつくったものでもないのに、人に褒められれば、なんとなく「おらが街」でね。自分を省みれるだけの力量も無いのに、エキゾチックでハイ・センスを自認し、他の地域を見下すような感覚がある。

これじゃあ、マツコさんに嫌われちゃっても当然というか…

たぶん、コンプレックスの裏返しなんでしょう。そう考えるとよけいに哀しいですけど。

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