コンパクト・シティ

幹線道路の真ん中、中央分離帯の上は高圧線のルートにあてられています。幹線道路の両脇には歩道があり、幹線道路と反対側の側面は少し崖のようになっており、その上には中層階のマンションが連なっています。そのマンションの裏側は戸建の住宅が立ち並んでいます。

計画的に緑は配置されていますが、緑はあっても「自然はない」といった空間です。

ここが開発された当初は、駅前に個人店の小さなビストロがありましたが、今はガストとサイゼリアとマクドナルドです。パブリック・アートはその後のメンテナンスも行われず、その存在感をくすませています。

この街は、これから、さらに高齢化の嵐にさらされます。すでに一家四人の標準世帯はお母さん一人になっているのに、息子や娘たちがこの街に帰ってくることはないでしょう。人口が少なくなれば駅からの家路でさえ心細い状況になり、買い物は不便になり、シャッター通り商店街がない分、デイケアな高齢者施設、小規模なクリニック、歯医者さんなどは立地しにくく、ただただ硬質な建物と街路だけが続く空間になってしまう可能性が高いからです。

モータリゼーション全盛の時代に計画された街並みは「徒歩」には遠すぎる環境です。喫茶店もない…

おじいちゃんとおばあちゃんは、この街で出会った友人もなく、駅から歩いて20分はかかるだろう「我が家」に孤立するようになるのではないでしょうか。

こうした郊外型の住宅地をいつかは「捨てなければならない」時期が来るのだろうと思います。
政府や自治体がいまさら「コンパクト・シティ」などと謳いあげることは「なんと無責任な」と思いますが、純粋な状況が「コンパクト・シティ」を要求しているようにも思います。

責任をとるのが嫌だから先延ばしにする…子どもたちのためにそれだけは避けなければならないと思っています。

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