オフクロが久々に映画を観に行き、面白かったというので「話を合わせるため」にレンタルDVDを借りてきた… ただそれだけの話でした。
でも、違和感があった…
貧乏な小藩というのはともかく、なんで「いわき」の藩だったのか。その藩の名物としてなぜ大根の漬物をクローズアップするのか…
話は「隠し金山」の濡れ衣を着せられた小藩に、無理難題を課して「お取り潰し」を狙う幕閣と、それを小藩が見事に切り抜けてゆくという物語。
一件落着して、まとめのシーケンス。将軍は、小大名に「身中の虫をあぶり出すためにお前に艱難辛苦を強いた」と詫びを入れ、でも「余は弱い家来などいらぬわ」ともいいます。
小大名は、その場で「我々はよいが、民のことを考えると肝が冷えました」と返し、将軍が「どういうことだ」と問い返すと
小大名「もし、上様がまことに愚かであれば民が苦しみます故」と応えます。
将軍「そちの申すとおりじゃ」と笑い、なぜ「隠し金山」が濡れ衣だと、あらかじめ気がついていたのかと問う小大名に、将軍は「前の献上品の大根は絶品だった。よく耕した土の味がした。あの様な大根を持ってくるやつに悪い奴はおらん」と応えます。そして居住まいを正した将軍は
「政をおろそかにして、いわきの土を殺してはならん。この先、永久にな」といいます。
ああ、闘っている人がいる。素直にそう思いました。あのときの「四谷怪談」と同じです。
この国に革命は起こりませんが、もっとスマートな(人の血が流れぬ)方法が息づいています。
婉曲に過ぎるのではなく、有効なボディ・ブロウを打ち続ける方法。ゴジラだって、ウルトラマンだってそうでした。
まさに「良心」なんだろうな。百田尚樹さんや山崎貴さんみたいな方もいらっしゃれば、そういうエンターテイメントの造り手がいて、演者さんやスタッフさんがいて、そういうエンターテイメントに資金を提供する企業もある…
ホントに有難い。この国の希望だと思います。