二極化

昨今の株高により、上場企業の保有株(持ち合い株)。その含み益が16兆円になり、ほぼほぼリーマン・ショック前の水準を取り戻した…野村証券がそういう試算を発表したんだそうです。この3月末との比較でも18%増。8月中旬以降の円安基調の強まりを受け、株価指数が年初来高値圏まで推移したことが要因とされています。

「持ち合い株」の話ですから、6月に閣議決定された「日本再興戦略 改訂2014」に「政策株式の具体的な保有目的の記載・説明を求めるよ」とあることから、この好調が「保有目的の説明できない株式の売却を加速させるインセンティブにつながり、事業法人の保有株式圧縮に弾みがつく」という見方もあるようですが、いずれにせよ「上場企業」な世界は、ずいぶんとバブルな感じになっているようです。

それにしても、仮に売却されたとして、その保有株、誰が買うんだろうと思います。

少なくとも街場な庶民じゃないでしょうね。お金持ちの間をぐるぐる回るお金が、また彼らに利益をもたらして二極化のコントラストだけが鮮烈になっていくんでしょう。

総務省では各世帯のうち、勤め先のある、自営業主、家族従業者、内職従事者など、つまり何らか収入を伴う仕事を持っている人を「有業人員」といいますが、東京の港区では、この有業人員一人あたりの年収が920万円。これ、2010年の調査時点の数値ですから、今はもっと高くなっているでしょう。しかも、この「有業人員」には「株式は保有しているが無職」という人は含まれません。そして千代田区の平均世帯年収は1014万円(総務省 全国消費実態調査 2011年3月発表)。都内で唯一の「一千万円越え」の区です。国税庁がきのう(2014年9月30日)発表したサラリーマンの平均年収は(3年ぶりに上昇したとはいえ)414万円。港区、千代田区の突出ぶりがよくわかります。

皇居や官庁・ビジネス街が大半を占める4万4千人余。この少数が「一千万円越え」の状況をつくっているというわけですが、神田美土代町や、秋葉原を含む外神田みたいに、ぐっと庶民的な街だって千代田区。どこもかしこもが番町みたいなところではありません。つまり、実態としては、さらにさらに少数の人々のびっくりするような年収が「平均」をどっと引き上げているんだと思います。

確かに「二極化」の方がグローバル・スタンダード。でも、日本のサブカルチャーの豊かさは、中世以降のこの国が積み上げてきた「中流な豊かさ」がもたらしたものです。北斎だって歌麿だって、彼らを支えたのは街場の庶民たち。彼らにそれなりのゆとりがなければ、あらゆるサブカルチャーは育ちませんからね。

「ローマは一日にして成らず」ではありませんが、一度止めてしまうと簡単に元に戻すことはできません。でも止めちゃう。少なくとも安倍さんたちの国家デザインはそんな感じです。

そして、そういうことに無防備なのが、この国のマジョリティです。自分の処遇についての話なのに不思議な感じがします。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中