効率化

僕が子どもの頃、水深が浅い横浜港では、沖に大型船を停泊させ、そこから人間の手で小型船に荷物を積み替えて埠頭に陸揚げをするというかたちがスタンダードで、その荷下ろしや積み替えにたくさんの人たちが働いていました。でも今は、コンテナに積み込まれた荷物を巨大なクレーンが釣り上げて、そのまま陸揚げ。沖仲仕と呼ばれた港湾労働者の人はほとんどいなくなりました。

効率化し、人件費を削減すれば、ものの値段が安くなり、消費者が助かる…でも、その消費者は就業者でもあるわけです。巨大なクレーンを繰って荷揚げをする作業には熟達した技能が必要とされるようですが、そうした技能を持つことができない就業者が大半でしょう。しかも、ひとつのクレーンが、昔の「沖仲仕」1000人以上の仕事をしてしまうそうですから、まさに少数精鋭。大半の沖仲仕が食にあぶれて当然ということです。

コストといえば人件費。だから人件費をカットして機械化する。それが効率化…

もちろん、港湾労働だけでなく、ありとあらゆるジャンルで効率化は進んでいます。コンピュータが汎用されるようになると、さらに効率化のスピードを速め、人が働ける場所は少なくなっていっている。

誰にでもできる仕事だが、人でやるしかない仕事。

効率化一辺倒の時代には、最も「悪しきもの」に思われていた「そうした仕事」が、この社会には必要不可欠だったのかもしれません。

「少数精鋭」も美辞麗句ですが、ついて来れなかった大半の人々をどうするのか。そのあたりに無策ならば「少数精鋭」こそが社会の安寧を阻害する要因になりかねない…

「効率化」もそういう観点から考えてみる必要がありそうです。

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