引用

味は心から

東急東横線「自由が丘」駅近くの「いちばんや」のラーメン。これは、もう「料理の域」だなと思います。ラーメンといえばラブリーな「駄もの」の代表格ですが、丼を覗いてみたときの眺めも、味も(いい意味で)襟を正したくなるような感じがする…つまり「料理」だなーと思います。

そこへいくと、同じ東横線でも「反町」駅近くの「八龍」は、ぐっとカジュアルな中華屋さんです。むしろ、まだ、こういうお店が生きていてくれたかと思うほどの正統派「街の中華料理屋」さん。L字型のカウンターの真ん中に陣取るご店主は、白衣、きりっと前掛け、職人刈りで中華鍋を振るわれます。昔流にいえばお弟子さんを露払いと太刀持ちのように従えて、無駄口ゼロ。次々と注文を消化していきます。愛想のいい女性が注文をとり、お土産の準備をする…これまた「昔流」になりますが、どこまでも気っ風のいい店です。

ラーメン、タンメン、焼き餃子、チャーハン、レバニラ炒め、中華丼、あんかけの焼そば…。グルメ・レポーターが言語的に説明するような味の特徴はありません。かといって、このコンサバぶりを懐かしんで食べているわけでもなく、ただ、心がうれしくなる味なのです。

深夜にかけてのお店ですが、週末ともなれば店の外まで「行列」です。タクシーで店前に乗り付けてくる人もいます。

自分に厳しいプロフェッショナルが、僕のために「真心込めて」つくってくれた料理をいただく…つまり、僕は「心」を食べさせてもらっているのです。

組織的に運営されているチェーン店などには、絶対にできないこと。それが、この「心」の部分です。今や個人店でも、この部分を実現できる店は数えるほどしかありませんが「組織」で運営されている店には最初から、その可能性すらありません。

でも

若い人には、この「心」の部分を実現しようとしている人がいらっしゃいます。もちろん「自己アピール」型、「共感強要」型のお店が大半ですが、中にはお客さんとの交感を楽しむことを第一にされている、あたたかい、美味しいお店もあります。そういうわけで「組織」で運営されている店がこれからも隆盛になるのではなく、今が爛熟期なのかなと期待しているところもあります。「八龍」にできる行列のことを考えても、お客さんだって、そのことに気がつき始めているんだと思います。

スイスの投機筋あたりでは、東京やヨコハマあたりの中・長期的な「不動産投資リスク」はAAAだそうです。でも、そうなればこっちのもの。それでこそ、ビジネスじゃないお店が増えていくというものです。

そういう意味では、僕は楽しみです。

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