ここのところ曇天や小糠雨が続き、脳出血のキャリアとしてはシンドい毎日が続いています。もちろん、被災地のみなさんに比べればなんということもないのですが、それでも幻痛や身体の怠さは、台風の接近とともにそれなりに負担です。そんな状況を打破するためにきのうは無理矢理、散歩に出たのですが、脚が上手に動かせず、マメだらけになって帰ってきました。
こんな日は、晴れの日の「瀬戸内の海」をイメージします。
写真は松山市、伊予鉄高浜線・梅津寺駅(ばいしんじえき)の空間です。どこまでもおだやかで、かといってまったく動きがないわけではなく、小舟はやさしくさざ波を立ている…東京やヨコハマなどの大都市では出会えない空間ですし、何よりもこの気候は「瀬戸内」にしかないものだと思います。
だから、北川フラムさんの夢は判らなくはないけれど、この空間をパブリック・アートなんぞで汚してくれるなと思います。
この空間に「特定の個人の個性」なんぞを際立たせてどうします。せっかくの自然のゆりかごに穴をあけるような行為です。やさしい波音、風、陽の光のやわらかさ…それを感じられる「受け手」がいれば、作品なんてなくても、毎日が芸術祭なのです。